1/04/2008

年始の報告

ブログの更新を怠っていたので、年初でありながらも久しぶりにアップ。

実は先週、実家で緊急事態が発生したためオープンチケットを急遽変更して一時帰国。
僅か2日(12/21,22)の滞在で、全く落ち着く暇もなく怒涛のようにモスクワへ戻ってまいりました。

とはいえ、親族以外にもアート系の友人たちと顔を合わせた。そのいきさつは以下のとおり。

多摩川の河川敷そばにあるartriverbankというギャラリーで開催されていた〈ファイル展〉である友人と待ち合わせ、まぁ酒でもということになった。
ごく簡単にこの展示を紹介すると、本棚にA4クリアファイルが納められている。キュレーターが紹介したいアーティストの作品ないしは活動をその中にまとめて、訪問者はそのファイルを眺めアーティストの活動を知りとキュレーターの意図を探るというもの(間違ってませんよね?)。自薦でこの展示(プレゼンかな?)に参加できそうなので、興味のある人は来年参加されてみては(詳細は)。

行ってみると、tokyoartbeatの編集元締めの橋本氏、「relational aesthetics」の翻訳兼勉強会の首座である吉崎さんがキュレーターとしてファイルを展示しており、本人も駐在して久々に話が盛り上がった。吉崎さんが紹介していた中で、やはり知り合いの岩井優氏、新野圭二郎氏の作品があった。この二人も偶然駐在しており、相変わらず30代(失礼!)かと思うエネルギーで圧倒され、自分もこれくらいのパワーがあればと落ち込む。

キュレーター個々人の批評は置いとくとして、この企画自体が面白い。かつて横浜トリエンナーレ(2004年だったかな?)で頓挫した磯崎新の発想に似ているような気がした。委員が何人かのキュレーターを指定し、委員会が設定した作家でキュレーターが設定した建築家に展示空間を設計させるかのよう。つまりartriverbankはキュレーター選定段階である程度の方向性を設定してはいる。けれども(もしかしたらそんなことはないかもしれない)、その先に生み出されるキュレーターのプレゼンを非予定調和としてエキサイトな展示が、そうした過程において、生み出される可能性を秘めている。一方で各キュレーターのプレゼンによって企画者の意図を覆い隠されてしまう可能性もあるので、企画者と各キュレーターの意図がうねり、緊張感に満ちた展示というのが、おそらくこの企画の理想形態であろう。

この展示を見た後、岩井氏とくだんの友人(井上文雄氏)とartriverbank付近の飲み屋で再開を祝して杯。岩井氏が帰った後、上記勉強会で院政を振るっていただいている、辻憲行氏(元秋吉台国際芸術村チーフキュレーター)を無理やり呼び出して、餞の言葉をいただく。彼のいかつい顔を見て、モスクワでもブリオーの本を読まなければと胃が痛む。とりあえず、モスクワビエンナーレキュレーターをしていたので、このつながりでモスクワのアートシーンと絡めた読み直しをしてみようか。

このつながりで最後に締めくくると、2009年のモスクワビエンナーレのチーフキュレーターはジャン・ユベール・マルタンです。

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