3/15/2008

体力の限界…

最近、寝入るのが早くて困っております。





こちらは、気候の変化がはげしく、昼間暖かいと思いきや、部屋から出ると急に雪が降ってたり、気温が高いと思ったら、風邪が強くて体感温度が低かったりと。慣れませんな。





この気候の変化によって、やたらと疲れるのです。齢二十八が原因と思いたくないのですが、徹夜が出来ない。酒もきっかりモスクワでは断っているのに、毎日二日酔いにかかったように頭痛がするのです。





とは言え、ロシア語の授業の課題(週一回のくせに)がほとんど暗記ものなので、もう少し夜遅くまで起きて暗記に励まないといけません。





さて、今回も研究関係のはなし。





毎週金曜にメディア芸術史という授業を取っていて、ベンヤミンやマクルーハンの理論を土台としてコンテンポラリーアートの作品を分析するという授業。なので、かなり早口で講義されても、何とかついていけています。しかし、ディスカッション中心の授業なので外国人の私としては、ロシア人のあの捲し立てる論理展開がつらい。しかも話すスピードが彼らよりも遅い。だから人の話を聞かず、連中は先に進みやがる。あぁ、悔しい。





日本語、英語、ドイツ語で何とか読みきったベンヤミンを再びロシア語訳で読む羽目に。それほど外国語は得意でないのに、死ぬほど外国語文献に浸かって、たまに日本人であることを忘れてしまいます。





加えて建築史の用語を母語より先にロシア語で覚えてしまったため、日本語で読み直すときに苦労しそうだ。





ちなみに今読んでる建築史の本は以下の通り。


1、H.ベルフリンの影響を受けてフォルマリズムと断罪され長く牢獄生活を送った建築史家I.A.ネクラーソフ『建築理論』


2、30年代ソヴィエト建築に古典建築の要素を導入し「赤いドリス」の理論的基礎の確立に寄与したN.ブルーノフ『建築史に関する記述 一巻、二巻』(右下図)


3、同じく30-40年代活躍し、美学の観点から古典建築を捉え、ソ連に古典建築を確立させることで、ソ連建築から新たな歴史の古典を伝承させようとしたI.マッツア『創作方法と芸術的遺産について』





一番を除いて完全にアジテーション書物と言えるかも(笑)。とはいえ、そうした「時代精神」の尺度を勘案しないとこの時代に生きた人々や文化が全否定されてしまう。これは何も、特殊と思われがちなソヴィエト研究だけでなく、当時の日本の文化全般を扱う上で、どういうスタンスを取るかは重要な点であろう。残念ながら、日本ではこの時代はナショナリズムと結び付けられて語られることが多いので否定的に扱われている(ロシア人の教授に何度も指摘された)。文化現象としてこの時代を紐解く観点が、今後求められるべきなのだが・・・
ただ、そうした文脈が建築批評に対してどう影響を及ぼすかという点を研究し、「古典建築」がどのように受容され、よりダイナミズムに「クラシック」が構築されていたのではないかという点を知りたい。そのため、これからの長い研究道の第一歩になるのでいいのです。

ますます、読書への体力が求められる。

2 件のコメント:

naoya さんのコメント...

おっす。久しぶり。元気にしてるんだね。
って誰かわかるよね?

研究の日々、ご苦労様だよ。俺も負けずに日々研鑽。博士論文執筆に向けて共に頑張っていこうではないか。

U→ さんのコメント...

>誰かわかるよね
もちろんです。言わずもがな、大先輩のH氏!
連絡取らず、すんません。

>俺も負けずに日々研鑽。
いやー。まだまだです。ロシア語に苦戦してる時点で、Hさんには及びませんよ。

>博士論文執筆に向けて共に頑張っていこうではないか。
もちろんです。今回の『スラヴィアーナ』共に掲載されますしね。ただ、博士論文の道のりはかなり険しい、私の場合。というのも、建築史を一から読み直しているので、ベースがロシアではなく建築史全般になりそうです。Hさんの研鑽振りには舌を巻きつつも、常に目標として頑張らせていただきます。